【Unity】VRoid(VRM)をインポートして動かす 
2018/08/06 Mon [edit]
VRoid Studio が 8/3 に一般公開されたのでさっそく触ってみた。
VRM 形式は VRChat が流行った経緯もあり、3Dアバターファイルフォーマットとして新たに MMD とは別に VR 用として利用できるフォーマットだ(そのためか VRoid 上では A ポーズだね(笑))。Unity 向けの C# による標準実装(UniVRM)がオープンソースで提供されていて、簡単に扱えるということなので試してみた。
実際にとても簡単で、ざっくり説明しておくと、UniVRM の Unity パッケージが配布されているので、それをプロジェクトにインポートし、VRoid Studio で作ったキャラをエクスポート(*.vrm ができる)。保存した VRM ファイルをプロジェクトにインポート(ドラッグ&ドロップでOK)すれば良い。あとは見た目が少しおかしくなったりするので、その辺りを適当に修正し、以前にやった方法で歩かせたりすれば動かせる。そんな感じだ。
(※) Unity 5.6.3p1 - 2018.2.1f1 / VRoid Studio 0.1.1 - 0.2.3 / UniVRM 0.40 / Windows10(x64) で確認
●VRoid Studio から VRM を作成する
1.まだ VRoid Studio をインスールしてないなら、公式サイトからダウンロードして、インストールしよう。ページの下の方へ行くと、Windows版 と Mac版 の両方がある。アーカイブを解答したら、そのフォルダ(ファイル)ごと移動すれば使えるようだ。
・VRoid Studio
ただ、私がバージョン 0.1.1 と 0.2.0 を試した所、保存したデータが完全互換では無いようだ(というか髪の位置がずれる)。またインストしたフォルダが別れていると(「VRoidStudio-v0.1.1-win」「VRoidStudio-v0.2.0-win」のように)起動時の「開く」メニューの一覧には出てこない(そして起動後には他のデータを読み込めない)。キャラを作り込むのは正式版が出てからの方が良いかも知れない(笑)。まぁ、現在はベータ版なので、今後改善されることを願おう。

●ver.0.2.0 で読み込んだら髪の位置がずれた(笑)

※「髪型編集」で「手描きグループ1」を選択肢、「ガイドパラメータ>高さ」を調整すると直るようだ。
2.「新規作成」でキャラを作った場合は少なくとも髪だけは付けておこう。実際最初に髪を塗るのが面倒だったので(笑)、そのままデフォルトでエクスポートしてみたが、Unity で読み込んだら髪の部分だけ空の白いメッシュが重なってしまった。面倒だったらアホ毛一本でも良いかも知れない(笑)。
3.後はとにかくキャラができたらファイルのメニューからエクスポートするだけだ(ver.0.2.x 以降は「撮影・エクスポート」に移動した)。また、私が試したのは ver0.1.1 だったが、アプリが不安定なのか、閉じようとしたらフリーズしたりするので、なるべく途中経過は保存(Ctrl+S)しておいた方が良いかも知れない。
エクスポートしたファイル(*.vrm)は「C:\Users\(ユーザー名)\Documents\vroid\avatars」(※Windows版)のように、個人用のドキュメント以下に作られるようだ。

※下のボタンが見えない場合は、ウィンドウを広げれば見えるようになる
●VRM を Unity にインポートする
1.Unity のプロジェクトを開いたら、まずは先に変換ツール「UniVRM」をプロジェクトにインポートしよう。
・UniVRM
パッケージは「UniVRM-x.xx.unitypackage」と「UniVRM-RuntimeLoaderSample-x.xx.unitypackage」(x.xx はバージョン)の2つがあるが(掲載時点:0.40)、「~RuntimeLoader~」となってる方は、実行時にリアルタイムに読み込む方法のようだ。ここでは「UniVRM-x.xx.unitypackage」の方をインポートして欲しい。

「API Update Required」ダイアログが出たら「I Made a Backup. Go Ahead!」(自動でアップデート)で良い。

2.UniVRM のインポートが終わったら、VRoid Studio でエクスポートした VRM ファイルを適当なフォルダでも作って(ここでは「Model」としている)、エクスプローラーから(※Windowsのとき)ドラッグ&ドロップしよう。インポートにはしばらく時間かかるが、変換が完了したら、ドロップしたフォルダにプレファブができる。

「NormalMap settings」が出たら「Ignore」の方が良いかも知れない。「Fix now」でも構わないが、インポート(変換)したマテリアルがギラギラとする(NormalMap を手動で直すしかない)。私はその辺りはあまり詳しくないのでお任せする(←とりあえず動けば良い人(笑))。
(※ver.0.2.x 以降では修正されてるようなのでどちらでも可。)

3.あとはプレファブをヒエラルキーに置いて、カメラやモデルの位置を調整すれば良い。ここではカメラの Z軸を -2 に、モデルの Y軸の回転を 180 度にしてカメラに写している。

※「NormalMap settings」は「Ignore」にしている
●VRoid(VRM)キャラを動かす
VRMのインポートに成功したら、キャラを動かしてみよう。基本的には以前に書いた「SDプロ生ちゃんを動かす!」と同じ方法で良い。大まかに説明すると、歩行モーションなどのアニメータや、キー入力を判定するスクリプトをモデルにアタッチすれば良い。ただ、一から作るのは結構大変なので、とりあえず既存のアセットやスクリプトを利用して動かしてみよう。
1.歩行モーションなどはユニティちゃんのアセットを利用するので公式サイトからダウンロードしよう。サイトにアクセスして、画面右上の「DATA DOWNLOAD」を押し、規約を読んだら一番下の方にある「ユニティちゃんライセンスに同意しました。」をチェックし、「データをダウンロードする」でダウンロードページへ移動できる。ここでは「ユニティちゃん 3Dモデルデータ」を押してパッケージをダウンロードして欲しい。
また、ここでは余談になるが、ユニティちゃんパッケージは Unity4 時代からリリースされているので、ユニティちゃん自体を使いたいときは、「ユニティちゃんシェーダー (Unity 5.4/5.5β 対応版)」や「ユニティちゃんスクリプト(Unity 5 修正パッチ)」もダウンロード&インポートした方が良い。
・ユニティちゃん公式
2.パッケージをダウンロードしたら、プロジェクトにインポートしよう(掲載時点:UnityChan_1_2_1.unitypackage)。
インポートしたら、ヒエラルキーに置いた VRoid のモデルをクリックし、インスペクタで「Animator>Contoller」に「UnityChanLocomotions」をセットしよう。エディタでプレイしてみればわかるが、これだけで立ちアニメーションが再生される(わかりづらいかも知れないが、拡大してみると、ゆっくりと呼吸してるようにアニメしている)。

3.アニメーションするようになったら、次に操作できるようにスクリプトをアタッチする前に、ヒエラルキーで空のオブジェクトを作り(Creat Empty:ここでは「VRoid_Locomotion」としている)、その子要素になるように VRoid モデルをドロップしよう。また、親オブジェクト(VRoid_Locomotion)の Position や Rotation などは全て (0, 0, 0) にしておく(微調整はモデルの方の Transform でやる)。
これはそのモデルを変更したくなったとき、簡単に中身だけ変えられるようにしておく処置だ。VRoid Studio 本体もしばらくはアップデートされるだろうし、その互換性も微妙なようなので、このようにしておくと更新時に非常に楽になる。

4.VRoid モデルを空オブジェクトの子要素に置いたら、次に操作スクリプトを親オブジェクト(VRoid_Locomotion)にアタッチしよう。ここではユニティちゃんの操作スクリプト「UnityChanControlScriptWithRgidBody.cs」に少し修正を入れて、他のキャラでも使えるようにした「UnityChanControlScriptWithRgidBodyForAny.cs」スクリプトをアタッチする。そのスクリプトは以下からダウンロードして欲しい。
5.スクリプトをアタッチしたら、「Rigidbody」の「Constrains>Freeze Rotation」と「Capsule Collider」の「Center>Radius」「Height」だけは調整しておこう。シーンビューを平行投影モードにすると調整しやすい。真横からみると VRoid モデルは少し足が埋まってしまうようなので(※VRoid Studio 0.1.1 で作った場合(?))、ここでは子要素(モデル)の Y軸を 0.07 だけ上げている。値は任意で良い。

●モデルの Position.Y だけ 0.07 にして少し調整している(※VRoid Studio 0.1.1 で作った場合(?))

6.ここまでできたらプレイしても良いが、床が無いので奈落の底に落ちる(笑)。ヒエラルキーに Cube を置いて床にしても良いが、せっかくなので、モックに使えるアセットをインポートしてみよう。
Unity2017 まではメニューから「Assets>Import Package>Prototyping」でアセットをインポートできたのだが、Unity2018 以降はどうやら「StandardAssets」は廃止されたようだ(たぶんインポートしたアセット同士でバージョンによるエラーや競合などのトラブルが発生しやすいため)。まぁ、オブジェクトだけなら Unity4 時代のものでも問題は無いので(スクリプトやシェーダーは古いバージョンをインポートするとエラーが出やすいので注意)、アセットストアから「Sample Assets (beta) for Unity 4.6」をダウンロードしよう。
・Sample Assets (beta) for Unity 4.6
7.ダウンロードが完了したらインポートするときに、ダイアログで一度「None」を押し、全てをオフにしてから、「Prototyping」のフォルダのみをチェックしよう(Prototyping 以下は自動でチェックが入る)。全てをインポートすると時間がかかるのと、エラーが出る可能性があるので、気をつけよう(Unity4 時代のものは特に)。

8.インポートができたら、フォルダ「Standard Assets/Prototyping/Prefabs/」以下に色々なオブジェクトが入っている。床には「FloorPrototype64x01x64」辺りを置けば良いだろう。他にも階段「Step~」、坂「Ramp~」など色々あるので、好きに置いてみると良いだろう。
ちなみに、Ctrl キーを押しながらオブジェクトをドラッグすると、一定幅で移動することができるので、グリッド状にキレイに配置することができる。この幅はメニュー「Edit>Snap Settings...」で設定できるので上手に使おう。

9.プレイしてみると上手く動いただろうか?動くには動いたが、カメラは追従してないかも知れない。カメラを追従させる方法は、一番簡単なやり方だと、「Main Camera」を作ったキャラの子要素にしてしまえば良い。ヒエラルキーで「Main Camera」を「VRoid_Locomotion」にドラッグ&ドロップしよう。子要素にしたら距離やアングルなどを調整して完了だ。


カメラをスムーズに動かすには以前の記事「SmoothFollow3」辺りを使うと良い。ちなみにアセットストアで配布しているプラグインにはスワイプ、ドラッグ、ピンチ操作できるスクリプトなども一緒に入っているので、スマホなどで使ってみたいときには良いだろう。
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