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【Unity】【C#】Windows で mp3 をランタイムで再生する  


 なぜか Windows ではランタイムでの mp3 再生(ストリーミング)に対応してない。Unity のバージョン上がったらいつか対応するのかと思ってたけど、いっこうに対応しない(エラーとなる)。Android や Mac, iOS などは普通に再生できるのにね。

 VRM Live Viewer でも、音楽素材は wav/ogg でしか使えず、少し不便だな~といつも感じていた。

 なのでちょっと調べてみたが、実装が面倒なのが多い。色々見てみたが結局、NAudio というプラグインライブラリで「mp3 → wav に変換して再生する」のが一番簡単なようだ。

 あまり日本語での記事が見つからなかったので、せっかくなので実装例を載せておこう。VRM Live Viewer ではこれが実装されている(※実際には変換作業を非同期化[UniTask]にしている)。ここではわかりやすいように、中核となる部分を簡略化したコードを掲載しておこう。


NAudio
Microsoft Public License (Ms-PL)


(※) Unity 2019.2.21f1 / Windows10(x64) で確認



■NAudio (dll) の導入

 まずはプラグイン本体の dll をダウンロードしよう。Release ページに移動すると、掲載時点では v1.10.0 が出ていたが、「▼Assets (2)」を開くとソースコードしか無かったので、自分でコンパイルしないのなら、そのすぐ下バージョンの v1.8.4 の「▼Assets (4)」を開いて、「NAudio-Release.zip」をダウンロードしよう(※要するに zip で落とせる最新版をダウンロードする)。


(NAudio) Release ページ

 zip を解凍したら、「NAudio.dll」と「NAudio.xml」とドキュメント(txt)が入っているので、「Plugins」フォルダを作って(Windows だけで良いのなら「Plugins/x86」を作る)プロジェクトにドラッグドロップしてインポートしよう(dll と xml だけでも良い)。ちなみに「Plugins」は全てのプラットフォーム or Fallback で、以下に「Android」「iOS」「x86_64」を作れば、それぞれのプラットフォームごとになると考えて良い。ここでは Windows でだけしか使わないので、以下のように配置している。


Unityの特殊フォルダと各々の役割(追記版)

 あとは dll をクリックして、Import Settings を設定しておこう。「x86_64」にチェックを入れておけば 64bit でも使えるようになる。CPU の種類もとりあえず全てにしておこう。

●プラットフォーム


●CPU




■mp3 → wav に変換して再生する

 NAudio のプラグインを導入できたら、次にサンプルコードを作成しよう。

 先に簡単にコードの内容を解説しておくと、インスペクタで設定した mp3 のファイルパスを NAudio で一時フォルダに wav として書き出し、ストリーミング再生するサンプルになっている。

 ちにみに、音声ファイルをストリーミング再生する方法は以前に紹介した方法と基本的には同じだ。

動的にオーディオファイルの読み込みと再生をする

●mp3 → wav に変換して再生するサンプルコード
using System.Collections;
using System.IO;
using UnityEngine;
using NAudio.Wave; //← 見つからないとエラーが出たときは Import Settings を見直す

public class Mp3Play : MonoBehaviour //クラス名は任意
{
public AudioSource audioSource; //再生用 AudioSource をアタッチしておく
public string mp3Path; //再生する mp3 のパス

// Use this for initialization
private void Start()
{
if (File.Exists(mp3Path))
{
//wav 変換した一時ファイルを保存するパス
var wavPath = Application.temporaryCachePath + "/converted.wav";
ConvertMp3ToWav(mp3Path, wavPath);
StartCoroutine(PlayWav(wavPath));
}
else
{
Debug.Log($"File not found : {mp3Path}");
}
}

//mp3 → wav 変換して、保存したパスを返す
public void ConvertMp3ToWav(string mp3Path, string wavPath)
{
//ファイルを byte 配列で読み込み
var bytes = File.ReadAllBytes(mp3Path);

//wav を一時ファイルとして保存
using (var stream = new MemoryStream())
{
stream.Write(bytes, 0, bytes.Length);
stream.Position = 0;

using (var reader = new Mp3FileReader(stream))
{
WaveFileWriter.CreateWaveFile(wavPath, reader); //wav で書き出し
Debug.Log($"Convert to wav successfully : {wavPath}");
}
}
}

//ストリーミング再生する
IEnumerator PlayWav(string path)
{
using (var www = new WWW("file://" + path))
{
while (!www.isDone)
yield return null;

if (string.IsNullOrEmpty(www.error))
{
var clip = www.GetAudioClip(false, true);
audioSource.clip = clip;
audioSource.Play();
Debug.Log($"Play wav : {path}");
}
else
{
Debug.Log(www.error);
}
}
}
}

 再生するには GameOjbect にこのスクリプトと AudioSource をアタッチし、その AudioSource をインスペクタでセットしておく必要がある。

 プレイして、設定したパス(mp3)の音声が鳴ったなら成功だ。


 エラーチェックは最低限しかしてないので、必要なら try-catch などを追加しておいた方が良いだろう。

 また wav ファイルはサイズが大きいので、アプリ終了時(OnApplicationQuit)などで一時ファイルを削除しておいた方が良いかも知れない。その辺りは好きにやって欲しい。


 ちなみに、上記の例Mp3FileReader にパスを与えるオーバーロードもあるので、ConvertMp3ToWav() の中身を以下のように書くこともできる。

●Mp3FileReader(パス) のオーバーロードを使う
//mp3 → wav 変換して、保存したパスを返す
public void ConvertMp3ToWav(string mp3Path, string wavPath)
{
using (var reader = new Mp3FileReader(mp3Path))
{
WaveFileWriter.CreateWaveFile(wavPath, reader); //wav で書き出し
Debug.Log($"Convert to wav successfully : {wavPath}");
}
}

 ただコードは短くて良いのだが、私が実行速度を計測してみた所、前述のコードからすると約 100~200ms ほど遅いようだ(※2~3分の曲の場合)。また Mp3FileReader → AudioFileReader に置き換えてみたら、更に 300~400ms 遅い。
 なので、実行速度を気にしない場合であれば、こちらを使っても良いだろう。


 また、再生には WaveOut を使う方法があるが(本来は WaveOut が正しい使い方だと思うが、Unity では AudioClip として扱いたかったため、変換だけ利用している)、興味があったら、以下の資料を覗いてみると良い。

(参考)
C# プログラミング解説 NAudio





(関連記事)
【Unity】【C#】動的にオーディオファイルの読み込みと再生をする
【Unity】【C#】オーディオ再生でのエラー:An invalid seek position was passed to this function の対処法
【Unity】【C#】BMP をランタイムで読み込む
【Unity】【C#】TGAをランタイムでロードする
【Unity】【C#】ランタイム時にファイルをドラッグ&ドロップして取得する(Windows のみ)


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