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【C#】文字列 → float (浮動小数点) 変換でエラーが出るときは…  


 もう随分前の話になるが、フランス語圏の人から「VRM Live Viewer を使いたいのだが、起動ができない」というメッセージが来た。

 とりあえずアプリのバージョンと状況を聞いて確認してみたが、普通に起動できる。念の為、BOOTH にも出しているので DL して試したが、やはり同じ結果だ。

 しばらく何の事か全く見当が付かなかったのだが、根気よくスクショを送って貰ったり、動画を見せて貰ったりしているうちに、環境の違い(OS)くらいしかもう無いと意見が一致したので、彼は英語を、私はフランス語をインストールして OS を再起動してみた。

 そしたらどうだ。彼は「起動に成功した」と言い、私は彼が言っていたように起動に失敗した。

 原因は起動時に読み込まれる BVH ファイルで、そのファイルはテキストで書かれていて、小数点は "."(ドット) で書かれている。実はフランス語、アイスランド語など特定の言語圏では、小数点は "," (カンマ) で書くので、気の利いた OS (笑)がエラーを吐いていたのだ。

 かくして、ライブラリ作者に不具合報告をして、今ではそのフランスの VTuber もめでたく利用して貰っている。

特定の言語環境下において、BVHロードに失敗する

 まぁ、そんなこんなで「文字列を float (浮動小数点)に変換するなら、拡張メソッドを作っておいた方が良いよ」(※使うなら double 等も) という事で、簡単なものを紹介しておこう。



●フランス語、アイスランド語など特定の言語圏でも対応できる 文字列 → float (浮動小数点) 変換
using System;
using System.Globalization;

public static class Extensions //名前は任意
{
/// <summary>
/// 文字列 → float 変換 (CultureInfo.InvariantCulture 指定)
/// </summary>
/// <param name="s">変換元文字列</param>
/// <returns>変換後の float (失敗は 0)</returns>
public static float ToFloat(this string s)
{
if (float.TryParse(s, NumberStyles.Number, CultureInfo.InvariantCulture, out var value))
{
return value;
}
return 0f;
}


/// <summary>
/// 文字列 → float 変換 (CultureInfo.InvariantCulture 指定)
/// </summary>
/// <param name="s">変換元文字列</param>
/// <param name="result">変換成功時 = float 値 / 変換失敗時 = 0</param>
/// <returns>true = 変換成功 / false = 変換失敗</returns>
public static bool TryParseFloat(this string s, out float result)
{
if (float.TryParse(s, NumberStyles.Number, CultureInfo.InvariantCulture, out var value))
{
result = value;
return true;
}
result = 0;
return false;
}
}

●メインコード例
using System;

var s = "1.234";
Console.WriteLine("ToFloat : " + s.ToFloat());

if (s.TryParseFloat(out var result))
{
Console.WriteLine("TryParseFloat : " + result);
}
else
{
Console.WriteLine("TryParseFloat failed");
}

ToFloat : 1.234
TryParseFloat : 1.234

 結果だけ見ると何て事ないのだが、この関数なら、フランス語、アイスランド語など特定の言語圏でもエラーにはならない。

 ちなみに、float 変換のオプションに使っている「CultureInfo.InvariantCulture」は「カルチャに依存しない」(無視する) ものらしい。要するに OS の言語とは関係なく、常に一定(英語圏)で変換されるようだ。むしろそっちの方がデフォだと有り難いのだが…(例えば文字列比較の Equals 等もデフォだとカルチャが効くので言語によって結果が異なる可能性がある)。

 必要なら double 等、他の浮動小数点も作っておいた方が良いだろう。

 動作確認するには OS にフランス語を入れて、OS の言語設定でフランス語に設定した後で、OS を再起動して確かめるしかないが、特に最近はアプリが世界中で使われるような時代になったので、これは常備した方が良いだろう。実際私もフランスの人から報告貰うまでは考えもしなかった。



 実は、不具合報告って開発者にとっては非常に有用な情報なので「なんか動作がおかしいな…」と思ったら、連絡してあげると良い。我々はバグ取りのエキスパートでもあるので、すぐに原因究明から修正案まで出せると思う。

 実際、この不具合(特定の言語環境下において、BVHロードに失敗する) はライブライリ元の UniVRM が抱えていた問題だったので、これが Fix されると、フランス圏の人もアプリや VRM が利用できるようになったわけだしね(少なくとも BVH を使うアプリはそれまでフランス圏では利用できなかったハズ:3tene とかも BVH 機能入ってた気がする)。

 単純に不具合が直ると自分も幸せだし、他の多くの利用者も幸せになれるしね(笑)。





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